【掲載】4thアルバム「Save your story」セルフライナーノーツ 2021.01.10
2021/01/10 Sun. 09:26 [edit]
4thアルバム「Save your story」のセルフライナーノーツをお届けします。
前作「Psychedelic Bar」より僅か1ヶ月振りの発表となる本作は、3rdアルバム制作後に出来上がった楽曲の編曲・収録をしている過程で形となったものである。今後の創作活動を位置付けるため、主題を『退廃的で耽美な世界観で構成されるインダストリアル・メタル』と定め、その様式は混沌と荒ぶるサウンドの中に退廃的叙情が漂うダークな仕上がりを意識した。暗鬱かつ耽美的なサウンドの響きを追求した作品であり、自画自賛ではないが出来栄えは非常に良い状態になったと感じている。これまで通りチューニングは全編1音半下げで、音作りの過程でエフェクト面は大幅に変更し、特にフェイザーを多用している。
余談ではあるが、ヨーロッパ文化のゴシックメタルで主題とされることが多い『デカダンス』と日本文化は異なるため、悩んだ挙句、人気漫画(私はアニメ派)である『呪術廻戦』からインスパイアされたこともあり、歌詞の題材には『呪い』を扱っている。これはホラーやオカルトの類ではなく、『祝い』の対義語という意味で捉えて頂きたい。日本人特有の感性として平安時代以降の『呪術』や『呪詛』等をテーマに据えた。

オープニングナンバーとなる『Jet black dancer』は、完全なる90年代HR/HMの復刻を意識した楽曲で、私が上京して初めて結成したCemetery Gatesというバンドで表現していた流れの完成形。Rサイドギターは木目シャチのBurny H series(改)、LサイドギターはGreco 89s Les Paul Customを使用。センターギターでエフェクトとしてフェイザーをかけたギターを多重録音し、間奏でもフェイザーをメインとした音作りを試みた。詞の世界観は、偽善・欺瞞・虚構・蔑みと云ったこれまでの作品でも扱ってきた題材を『呪言』というテーマでまとめ上げたものになっている。
2曲目は『Malice act』、直訳とすると「悪意のある行為」となり、多くの日本人は忘れてしまっている感性であるが、これは本来、『呪い』へと繋がる重要な要素という解釈で歌詞を整理した。楽曲は、90年代ゴシックメタル・ドゥームメタルを代表するバンドであるMy Dying Bride的な要素を最も含ませたことで、和製ゴシック=呪詛メタルを意識した。ギターは全パートでGreco 89s Les Paul Customを使用。エフェクトは、フェイザー以外にもRサイドギターは、ファズ(Muff)を利用することで、これまでの作品との違いを意識した。
3曲目の『Exquisite fake』は、リフワークから仕上げた楽曲で、歌ものを想定していない部類の曲だったので、編曲の際に歌メロを付けるのに苦労をした記憶がある。こちらもギターは全パートでGreco 89s Les Paul Customを使用。フェイザーの扱いにも慣れてきたタイミングでレコーディングしている。歌詞は、「絶妙な偽物」というタイトルで、プライベートな題材から本作のテーマに合わせて広げたお話。
4曲目は、タイトルナンバー『Save your story』である。こちらは、逆に歌ものを想定して作曲した。過去作品で扱ってきたプライベートな題材は変わらずだが、『呪する』という日本語を深掘りしながら書き上げたもので、サビのコード進行を崩さないように言葉を選び、並べている。この曲は特にRサイドギターのフェイザー色を強くした。全パートでGreco 89s Les Paul Customを使用。
5曲目は、『Dying mind』でこれは偶然、出来たような楽曲。Megadethみたいに聴こえるのは、弾いているうちにそうなってしまい、歌う際もデイヴ・ムステインのモノマネみたいになってしまった遊びの楽曲。ギターは全編でESP M-2 Deluxeを使用。これはEMG搭載のレスポールの音では楽曲に合わないためである。
6曲目の『Heavy abyss』は、オルタナティブというかグランジのような暗さも作品に取り入れたくて創作した楽曲。あくまで、頽廃的なものをテーマにしているのだが、コードワークは、グランジ等に近い構成も混ぜることで普段とは異なる曲を意識した。冒頭とエンディングのアルペジオがメインテーマである。ギターは全編で、木目シャチのBurny H series(改)を使用。アルペジオ時に二種類のアコースティックシミュレーターをそれぞれ使用し、PANをずらして多重録音した。
ラストナンバーの『With easy light』は、Solitary Shellの最高傑作である。創作している段階で、そう感じていたので編曲にも気合が入り、ドラムの打ち込みも含め、現段階で最も満足のいく作品に仕上がった。忌まわしきプライベートな題材を完璧に音楽へと昇華することが可能であるという事例が出来たことは喜ばしいことである。タイトルは『容易い光で』、副題は『貴女は犠牲です、我々は犠牲です』ということをベースに書き上げた歌詞。2019年に出会った君、共にした人々に捧げたい…そんな楽曲となっている。サウンド自体は、hideを敬愛する私が制作したインダストリアル・メタルの完成形。Rサイドギターは木目シャチのBurny H series(改)、LサイドギターはGreco 89s Les Paul Customを使用。今後は、このクオリティが創作における指標になるので作曲には時間がかかるかもしれない…と感じながらも音楽を続けていくのである。
(了)
↓4thアルバム「Save your story」は、こちらからご購入が可能です↓














☆Solitary Shell Web
http://solitaryshell.iza-yoi.net/
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きしやまゆうへい↓
◎Twitter→http://twitter.com/shuhey5150
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copyright©2021 solitary shell all rights reserved.
Powered by Wave of Creation record(自主制作レーベル)
前作「Psychedelic Bar」より僅か1ヶ月振りの発表となる本作は、3rdアルバム制作後に出来上がった楽曲の編曲・収録をしている過程で形となったものである。今後の創作活動を位置付けるため、主題を『退廃的で耽美な世界観で構成されるインダストリアル・メタル』と定め、その様式は混沌と荒ぶるサウンドの中に退廃的叙情が漂うダークな仕上がりを意識した。暗鬱かつ耽美的なサウンドの響きを追求した作品であり、自画自賛ではないが出来栄えは非常に良い状態になったと感じている。これまで通りチューニングは全編1音半下げで、音作りの過程でエフェクト面は大幅に変更し、特にフェイザーを多用している。
余談ではあるが、ヨーロッパ文化のゴシックメタルで主題とされることが多い『デカダンス』と日本文化は異なるため、悩んだ挙句、人気漫画(私はアニメ派)である『呪術廻戦』からインスパイアされたこともあり、歌詞の題材には『呪い』を扱っている。これはホラーやオカルトの類ではなく、『祝い』の対義語という意味で捉えて頂きたい。日本人特有の感性として平安時代以降の『呪術』や『呪詛』等をテーマに据えた。

オープニングナンバーとなる『Jet black dancer』は、完全なる90年代HR/HMの復刻を意識した楽曲で、私が上京して初めて結成したCemetery Gatesというバンドで表現していた流れの完成形。Rサイドギターは木目シャチのBurny H series(改)、LサイドギターはGreco 89s Les Paul Customを使用。センターギターでエフェクトとしてフェイザーをかけたギターを多重録音し、間奏でもフェイザーをメインとした音作りを試みた。詞の世界観は、偽善・欺瞞・虚構・蔑みと云ったこれまでの作品でも扱ってきた題材を『呪言』というテーマでまとめ上げたものになっている。
2曲目は『Malice act』、直訳とすると「悪意のある行為」となり、多くの日本人は忘れてしまっている感性であるが、これは本来、『呪い』へと繋がる重要な要素という解釈で歌詞を整理した。楽曲は、90年代ゴシックメタル・ドゥームメタルを代表するバンドであるMy Dying Bride的な要素を最も含ませたことで、和製ゴシック=呪詛メタルを意識した。ギターは全パートでGreco 89s Les Paul Customを使用。エフェクトは、フェイザー以外にもRサイドギターは、ファズ(Muff)を利用することで、これまでの作品との違いを意識した。
3曲目の『Exquisite fake』は、リフワークから仕上げた楽曲で、歌ものを想定していない部類の曲だったので、編曲の際に歌メロを付けるのに苦労をした記憶がある。こちらもギターは全パートでGreco 89s Les Paul Customを使用。フェイザーの扱いにも慣れてきたタイミングでレコーディングしている。歌詞は、「絶妙な偽物」というタイトルで、プライベートな題材から本作のテーマに合わせて広げたお話。
4曲目は、タイトルナンバー『Save your story』である。こちらは、逆に歌ものを想定して作曲した。過去作品で扱ってきたプライベートな題材は変わらずだが、『呪する』という日本語を深掘りしながら書き上げたもので、サビのコード進行を崩さないように言葉を選び、並べている。この曲は特にRサイドギターのフェイザー色を強くした。全パートでGreco 89s Les Paul Customを使用。
5曲目は、『Dying mind』でこれは偶然、出来たような楽曲。Megadethみたいに聴こえるのは、弾いているうちにそうなってしまい、歌う際もデイヴ・ムステインのモノマネみたいになってしまった遊びの楽曲。ギターは全編でESP M-2 Deluxeを使用。これはEMG搭載のレスポールの音では楽曲に合わないためである。
6曲目の『Heavy abyss』は、オルタナティブというかグランジのような暗さも作品に取り入れたくて創作した楽曲。あくまで、頽廃的なものをテーマにしているのだが、コードワークは、グランジ等に近い構成も混ぜることで普段とは異なる曲を意識した。冒頭とエンディングのアルペジオがメインテーマである。ギターは全編で、木目シャチのBurny H series(改)を使用。アルペジオ時に二種類のアコースティックシミュレーターをそれぞれ使用し、PANをずらして多重録音した。
ラストナンバーの『With easy light』は、Solitary Shellの最高傑作である。創作している段階で、そう感じていたので編曲にも気合が入り、ドラムの打ち込みも含め、現段階で最も満足のいく作品に仕上がった。忌まわしきプライベートな題材を完璧に音楽へと昇華することが可能であるという事例が出来たことは喜ばしいことである。タイトルは『容易い光で』、副題は『貴女は犠牲です、我々は犠牲です』ということをベースに書き上げた歌詞。2019年に出会った君、共にした人々に捧げたい…そんな楽曲となっている。サウンド自体は、hideを敬愛する私が制作したインダストリアル・メタルの完成形。Rサイドギターは木目シャチのBurny H series(改)、LサイドギターはGreco 89s Les Paul Customを使用。今後は、このクオリティが創作における指標になるので作曲には時間がかかるかもしれない…と感じながらも音楽を続けていくのである。
(了)
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category: 【Liner notes】
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